プレマルブログ

美少女ゲームの紹介、感想など。ネタバレには配慮してます。

「車輪の国、向日葵の少女」のレビュー

それは、ただ—―正義の象徴である向日葵に向けて。

ストーリー
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この国には刑務所がない。

罪人は刑務所に入らず、罪状に応じた特殊な「義務」を負うことになる。

その義務の内容は様々で、異性との接触が禁止されたり、一日が十二時間にされたり、親権者に絶対服従しなければならなかったり・・・。

そうやって、その個々人に向けた義務を果たすことで罪を償わせる。

刑務所がなければ当然囚人服もない。

代わりに、罪人である証としてバッジが付与される。

周囲の人間は、そのバッジを見ることで、その人物が罪人であることを認識する。

そんな義務を負った人たちを管理する職業がある。

それが「特別高等人」と呼ばれる国家公務員だ。

世の中には、多種多様な義務があり、特別高等人はあらゆる状況に対処しなければならない。

したがって、他人の行動を予測する心理学、暴れる罪人を取り押さえる体術など、人を管理するための能力全般が求められる。

そして、最上級の国家公務員として、特別高等人には強大な権限が与えられている。

必要とあれば罪人の基本的人権を剥奪し、プライバシーを侵害することはおろか、生殺与奪すら自由なのだ。

そんな「特別高等人」になる最終試験。

主人公の「森田賢一」は、今まさに、その試験を迎えようとしていた—―

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さて、今回は今更レビュー記事が必要かどうか怪しいくらいの名作車輪の国、向日葵の少女のレビューをしていきたいと思います。

《ゲームの紹介》

本作の発売は2005年とそこそこ古く、あかべぇそふとつぅより発売されました。

その後家庭用ゲーム機への移植(Xbox 360PSPPS3)がされており、移植版にはファンディスクである「車輪の国、悠久の少年少女」より「法月編」が同梱されているようです。

本編+ファンディスクの法月編をクリアすることで、車輪の国のストーリーを200%楽しむことが出来るので、これからプレイする方はファンディスクも一緒にやるぞ!という意気込みの方がよいかもしれません。(本編だけでも楽しめます)

余談ですが、ファンディスク全編クリア後に出現するオマケ話(公式による原作破壊)が面白いので、それも楽しんでいただければと思います!

 

 

 

 

《製作スタッフ》

クリエイターの情報

原画 有葉
シナリオ るーすぼーい
音楽 如日(UI-70) , 下地和彦 , Ebi , まつ , tiko-μ , Morrigan(WAVE)(主題歌、ED曲) , MANYO(まにょっ、Little Wing、六浦館)(挿入歌)
声優 芹園みや(三ッ廣 さち) , 紫華すみれ(大音 灯花) , 新城麻奈(日向 夏咲) , 籐野らん(樋口 璃々子)
神月あおい(まな) , 倉田まりや(南雲 えり) , 盛啓介(卯月 セピア) , 風音(大音 京子) , 馬並硬太(治安警官、他) , さとう雅義(法月 将臣)
石本篤(その他) , 齋藤亮太(その他)
歌手 片霧烈火(主題歌「紅空恋歌」、挿入歌「そらの隙間」、ED曲「祝福の大地、暁光の世界」)
その他 高橋善之(プロデューサー/制作進行) , るーすぼーい(企画) , 神月社(OPムービー製作) , 雪乃(グラフィック) , えきすぱあと(グラフィック) , おかな(グラフィック) , ikki(グラフィック) , ごとうまいこ(グラフィック) , 浅海朝美(浅美朝海)(グラフィック) , 宮嶋文(グラフィック、Webデザイン/システムグラフィック) , 覇王・左近(スペシャルサンクス) , バブルス(スペシャルサンクス) , マス裸王(ます裸王)(テストプレイ/文章校正) , SIN?(プログラム、演出/スクリプト) , tiko-μ(効果音) , TAB act1(TABact1)(収録スタジオ) , 三舛啓(営業) , るいるい(外注背景) , 椎葉優(外注背景) , ごとうまさと(外注背景) , 羽鳥志庵(外注背景) , ラウジャ(演出/スクリプト) , 憲yuki(司城憲幸、司城)(演出/スクリプト) , いちご(演出/スクリプト、広報) , JoKe(背景) , 野見宿禰(背景) , じしゃ(背景) , AG-promotion(AGプロモーション)(音響制作) , 池田大輔(音響制作担当) , 久瀬義美(音響監督)

※ErogameScape-批評空間-様より抜粋

 

 

《評価と点数》

※評価項目について※

シナリオ・・・話の構成、文章の読みやすさ、語句の使い方など。文章全般の品質と物語としての面白さにおける評価。

作画全般・・・キャラクターや背景、イベントCGなど、全般的な絵の評価

ボーカル曲・・・OP曲、ED曲、挿入歌など、作中で使われた歌が入っている曲の評価

BGM・・・作中で使われたBGMの評価

システム・・・UI関係全般と演出、効果音などの評価

 

★☆★一言メモ★☆★

・エロゲ三大親父の一人「法月将臣」

・完璧超人系主人公

・感動と驚愕のシナリオ

 

 

《総評》

うーん、素晴らしい。ここまで衝撃を受けたエロゲは他にありません。

終盤の圧倒的展開は、マウスクリックが止まりませんでした。

じゃあ終盤まではつまらないの?と聞かれたら答えはノーです。

 

物語の序盤~中盤は、ヒロイン一人ひとりに焦点を当てて、各ヒロインが抱える問題を解決していきます。

それがこれっぽっちもおざなりにはなっておらず、各章でボロボロに泣きました。

 

罪を償うために、とある義務を負った少女たち。

果たして、その義務は本当に必要なのだろうか?

罪を償うために義務を負わせることは正しいのだろうか?

—―そもそも、それは罪だったのだろうか?

罪を犯したから、義務を負ったから。

それだけのことで、人の尊厳とは疎かにされていいのだろうか?

 

特別高等人は罪人の「更生」という名の下に、絶対的な権力を付与されている。

更生のために必要な指導ならば、プライバシーの侵害はおろか、生殺与奪すら自由。

そんな絶対的権力者が許される世の中は、正しいと言えるのだろうか?

 

 

「人を好きになれること、時間が平等であること、親が幸福であること、それくらい望んでもいいじゃないですか?」

 

正義とは何か。

ぜひ、その目で確かめてください。