プレマルブログ

美少女ゲームの紹介、感想など。ネタバレには配慮してます。

「WHITE ALBUM2」のレビュー

どうしてこうなるんだろう・・・

あらすじ
―――――――――――――――――
冷たい風を震わせて、歌が聴こえてきた――

夕暮れの音楽室で俺が奏でるギターに合わせるように。
隣の教室で顔も知らない誰かが奏でるピアノに合わせるように。

屋上から響いてきた、鈴が鳴るように高く澄んだその声は、
バラバラだった俺たち三つの旋律を繋いでくれた。

始まりは、そんな晩秋。
そのとき、誰かが誰かに恋をした。

誰もが一生懸命だった。
誰もが強い気持ちで突き進んだ。
誰もが、ひたむきに、まっすぐに、正直に――
心の底で結ばれ、かけがえのない瞬間を手に入れた。

だからそのとき、誰かが誰かに恋をしてしまった。
一足遅れの、してはいけない恋を。

そして冬――降り積もる雪は、すべての罪を覆い隠し。
やがて春――雪解けと共に、すべての罰を下す。
―――――――――――――――――

 

《ゲーム紹介》

今回はエロゲ史に名を刻んだ名作WHITE ALBUM2をご紹介します。

 

本作はLeafから発売されているのですが、驚きなのは同ゲームのシナリオを担当した丸戸史明の持ち込み企画だったということです。

 

そもそも丸戸史明Leafの社員ではありません。

企画屋というシナリオライター集団に所属していた人間です。(今も所属しているかは不明)

 

そんな社外の人間が企画を持ち込んで、Leafが乗って、販売されて・・・と。

この時点でどんだけWHITE ALBUM2を書きたかったんだお前は。というのがわかります。

 

ちなみにタイトルにある”2”が示す通り、前作にあたる「WHITE  ALBUM」というゲームが1998年に同じくLeafより発売されています。

しかし、前作とストーリー上の接点は全くと言っていいほどありません。

BGMや前作の登場人物の名前が一部使われている程度ですので、ナンバリングタイトルと意識する必要性はないと思われます。

 

冬を舞台に繰り広げられる若者たちの恋愛と人生の物語。

主人公に共感するもよし、しっかりしろとブチ切れるのもよし。

プレイする際は、薬局で胃薬を購入してから臨むことを推奨します。

 

※本作は「introductory chapter」と「closing chapter」に分かれていますが、本記事では区別せずに「WHITE ALBUM2」とまとめた形でご紹介します。

 

 

 

《登場キャラクター紹介》

★「introductory chapter」から登場するキャラクター

 

北原 春希(きたはら はるき)
峰城大付属3年E組。前期クラス委員長。
軽音楽同好会所属。セカンドギター(雑用)担当。
特技は余計なお節介と非の打ち所のない説教と完璧な理論武装。成績はトップクラス。
本作の主人公。

 

©AQUAPLUS
小木曽 雪菜(おぎそ せつな)
峰城大付属3年A組。
ミス峰城大付属二年連続制覇中。三連覇の期待がかかる高嶺の花。

 

©AQUAPLUS
冬馬 かずさ(とうま かずさ)
峰城大付属3年E組。
窓際の席で常に居眠りしている、遅刻、サボリの常習犯にして、
大人はわかってくれない的な鬱屈を抱える、時代錯誤な不良娘。



★「closing chapter」から登場するキャラクター

©AQUAPLUS
杉浦 小春(すぎうら こはる)
峰城大付属3年A組。前期クラス委員長。元テニス部副主将。
真面目で堅実で、親身な世話と的確な助言が心地良いという、
言い方を変えれば誰かとそっくりな性格の少女。
身長を始めサイズは全体的に控えめだが前向きな積極性でカバー。

 

©AQUAPLUS
和泉 千晶(いずみ ちあき)
峰城大学文学部3年。
窓際の席どころか、ゼミ室に寝袋を持ち込んで熟睡している。
怠惰、無気力、依存症を絵に描いたような典型的な大学生。
要領がよく甘え上手なため、今までなんとか進級してきたが、
最近はさすがにゼミのレポートが増えてきたため進級が危ぶまれている。

 

©AQUAPLUS
風岡 麻理(かざおか まり)
開桜社という中堅どころの出版社に勤務している雑誌編集者。
若手と言うには語弊があるがベテランと言われる筋合いもないお年頃。
同期の中では男女関係なく一番の出世頭で、将来の編集長筆頭候補。

 

《製作スタッフ》

クリエイターの情報

キャラデザ なかむらたけし(NAK村、中村毅)
原画 なかむらたけし(NAK村、中村毅) , 桂憲一郎(桂枝毛) , 柳沢まさひで , 甘味みきひろ(サブ)
シナリオ 丸戸史明 , 企画屋(サブ)
音楽 石川真也 , 中上和英 , 松岡純也 , 衣笠道雄(豆田将) , 下川直哉(ED曲)
歌手 上原れな(OP曲「幸せな記憶」、ED曲「優しい噓」「closing」) , 津田朱里(ED曲「愛する心」「心はいつもあなたのそばに」) , 小木曽雪菜(ED曲「時の魔法」)
その他 二宮一雄(ディレクター、スクリプト) , 下川直哉(プロデューサー、音楽監修) , なかむらたけし(NAK村、中村毅)(企画) , 丸戸史明(企画)

※ErogameScape-批評空間-様より抜粋

 

《評価と点数》

※評価項目について※

シナリオ・・・話の構成、文章の読みやすさ、語句の使い方など。文章全般の品質と物語としての面白さにおける評価。

作画全般・・・キャラクターや背景、イベントCGなど、全般的な絵の評価

ボーカル曲・・・OP曲、ED曲、挿入歌など、作中で使われた歌が入っている曲の評価

BGM・・・作中で使われたBGMの評価

システム・・・UI関係全般と演出、効果音などの評価

 

★☆★一言メモ★☆★

・天才・丸戸史明の最高傑作。

・ボイスを聞き飛ばしても50時間はかかる大作。

・THE三角関係。

 

《総評》

私は、主人公の春希に共感する部分が多々ありました。

共感してしまうが故に苦しいときもあれば、いや、お前それはダメだろ!と言いたくなる時もあったりして、いい具合にストーリーに引き込まれてました。

全く共感できないタイプの方もいるかもしれません。

そういう方の場合は春希に終始怒りをぶつけることになる可能性大です。クリアまでの50時間超怒り続けてください。

 

このゲームで1番恐ろしいと感じたのは、選択肢が出るタイミングです。

ストーリーに没頭して、この後どうなってしまうのだろうか、とか、こんな風になるんじゃないか、とか。

頭の中は、そういう状態になってるんですよ。気付かないうちにね。

要は傍観者になってるんです。

でも、でもね。急に出てくるんですよ、選択肢が。

大事なところで、選択権がプレイヤーに投げられるんですよ。

重い話って、他人事だから簡単に聞けたりするんですよ。

ストーリーに没頭しているときって、どこか他人事として脳が処理しているんだと思うんです。

それがね、急にこっちにパスを投げて来るんですよ。大谷翔平もびっくりの球速かつ正確無比のコントロールで。

ボケーっと構えていたグローブに、時速160kmの豪速球が入ってくるようなもんです。

そのおかげで傍観者だったはずが、物語の当事者へと引っ張り出される。

この仕組みのせいで、より心を揺さぶられ、さらに物語へと没頭させられるって感じです。いや、ほんとエグいて・・・。

 

©AQUAPLUS

 

本作は、良くも悪くも人生経験の有無でクリア後の感想が変わってくる作品だと思います。

おそらく発売当時にプレイしていたら、私は今よりも純粋だったので、もっと春希を軽蔑したり罵倒することができたかもしれません。

けれども、リアルホワイトアルバム2みたいなことをしでかした私にとって、春希の気持ちは痛いほどわかってしまいました。(一部のルートは春希を殴りたかった)

こんなに心理描写が上手だと、丸戸氏の経験談入ってるんじゃないか?と疑いたくなるほどです。

 

さて、途中から何を書いているのか若干わからなくなりましたが、なんとなくでもいいので、WHITE  ALBUM2って凄そうなゲームだなとか思っていただければ幸いです。

凄いです。エロゲ史において、ひとつの到達点にある作品と言っても過言ではないかもしれません。

 

悩んで、苦しんで、人を傷つけ、傷つけられて。

何度も挑戦と失敗を繰り返し、それでも足掻き続ける。

その手に最後に残るのはいったい何なのだろうか・・・

 

「CARNIVAL」のレビュー

サヨナラ記憶

あらすじ
―――――――――――――――――
マナブ(主人公)は、昔から嫌なことがあると、
その記憶を失ってしまう不思議な性質を持った少年。

そんな彼は、典型的なイジメられっこで、
学校でも先輩のエイミとミサワから執拗なイジメを受けていた。

ある日、いつものように学校の屋上に呼び出されたマナブは、
そこで彼へのイジメを抗議するリサの姿があった。

リサの言動に逆上したミサワが、彼女に掴みかかった瞬間、マナブの記憶が途切れ、
気付いたときには、
ミサワは首を掻っ切られ血の海に横たわり、
リサは着衣を乱した格好で、意識を失い倒れていた。

記憶を失っているマナブは、曖昧な供述しか出来ず、事件の容疑者として警察に逮捕されるが……。
―――――――――――――――――

 

《ゲームの紹介》

今回は短時間エロゲの名作「CARNIVAL」をご紹介します。

 

本作は有名シナリオライター瀬戸口廉也の処女作でありながらも、彼の卓越した文章力を楽しめる作品となっており、また、絵と音楽のクオリティも非常に高いので、短時間と侮るなかれ、素晴らしい作品です。

 

2004年に発売されたCARNIVALですが、メーカーのS.M.Lが解散していることもあり、パッケージ版はプレミアがついていて入手は困難となっています。(2022.11月現在の中古価格が20,000円~30,000円くらい)

また、本編の後日談が収録された小説版CARNIVALも存在しますが、こちらもプレミアがついており、同じく入手困難となっています。

 

しかしゲーム本編にはダウンロード版があり、そちらは3,000円ほどで手に入るので、プレイするだけならば比較的簡単です。

 

オープニングムービーはアニメーターの倉嶋丈康が制作しており、こちらも非常にクオリティが高い。

www.youtube.com

 

 

 

 

《登場キャラクター紹介》

木村 学(きむら まなぶ)
本作の主人公。

 

九条 理紗(くじょう りさ)
主人公の幼馴染。社交的で成績優秀。

 

志村 詠美(しむら えいみ)
上級生。学校のマドンナ的存在だが、理紗の人気によりその地位を脅かされつつある。

 

渡会 泉(わたらい いずみ)
主人公のクラスメイト。理紗とは中学以来の親友。

 

 

《製作スタッフ》

クリエイターの情報

原画 川原誠
シナリオ 瀬戸口廉也(唐辺葉介) , taninonP(たにみちNON)(Hシーン) , 寿衣谷(Hシーン)
音楽 藤田淳平 , 菊田大介 , milktub(ED曲)
声優 ダイナマイト☆亜美(九条 理紗) , 氷河流(木村 学) , 吉川華生(渡会 泉)
柏木信人(三沢) , 長崎みなみ(九条 香織) , 白井綾乃(志村 詠美) , 岩泉まい(樋口まゆら、樋口まゆ)(志村 麻里) , 伊藤瞳子(高杉 百恵)
榎津まお(ガヤ協力) , 紫苑みやび(学の母、洋一)
歌手 NANA(OP曲 「カーニバル」) , YURIA(有里亜)(ED曲 「記憶」)

※ErogameScape-批評空間-様より抜粋

 

 

《評価と点数》

※評価項目について※

シナリオ・・・話の構成、文章の読みやすさ、語句の使い方など。文章全般の品質と物語としての面白さにおける評価。

作画全般・・・キャラクターや背景、イベントCGなど、全般的な絵の評価

ボーカル曲・・・OP曲、ED曲、挿入歌など、作中で使われた歌が入っている曲の評価

BGM・・・作中で使われたBGMの評価

システム・・・UI関係全般と演出、効果音などの評価

 

★☆★一言メモ★☆★

・文章、絵、音楽、全てが高水準。

・短時間であるが故の名作。

・システム周りは少し弱い。

 

《総評》

卓越した文章、程よい質感の絵、主題歌およびBGMの質、声優さんの技量、ゲーム起動時に流れるオープニング・・・全てが素晴らしい作品でした。

 

物語としては狂気がテーマになっているので、それがもう苦手でダメなんだ、という方でなければ多くの方から太鼓判を押されるかと思います。

 

10時間弱で終わるストーリーですが、終わらせるタイミングも秀逸だと感じました。

物語がどの段階でどう終わるのか、というのはその目で確かめてほしいです。

一応、小説版を読めば完全に物語の終幕を迎えることが出来るらしいのですが、如何せん手に入らんて・・・

 

難点をあげるとすれば、ひとつだけ。

 

これは、私だけかもしれないんですが、ボイスの再生に違和感を覚えました。

「○○○○」みたいなキャラのセリフが表示されてから、ボイスが再生されるまでに、ちょっとだけ間があるんです。0.5秒くらいかな。

そのせいで、短いセリフだと、ボイスが再生される前に目で読み終えてしまい、私のように読み終えたらクリックして次の文へと進むタイプだと、結局キャラの声あまり聞かなかったな・・・となるかもです。

 

システム周りや、CGの解像度などは良いとは言えないかもですが、発売が2004年ということを考えると、まあそんなもんか、という感じです。(解像度が800×600なので、フルスクリーンにすると、画面が引き伸びてる感ありました)

 

個人的には、10時間未満で終わる作品としてはNo.1です。

これ以上の良作には出会えない気がします。

 

本来ならパッケージで欲しいし、小説版も読みたいけど・・・高すぎて無理だよぉ。

 

©S.M.L

 

CARNIVAL

 

「さよならを教えて~comment te dire adieu~」のレビュー

言葉、男、狂気、少女、さよなら

ストーリー
―――――――――――――――――
さよなら…。今、全ての人に贈る最期の言葉。

間を見失い、すべてに逡巡し、自分の事さえも分からない男は、悪夢と白昼夢に悩まされながら、
教育実習生としての責務を全うしつつ、迷い子のように橙色の放課後を彷徨い続ける。

校内で出会う少女たちにやすらぎを求め、同僚の女性たちの顔色を伺う毎日。
彼と彼以外の間にあるのは深く暗い奈落だけだった。

彼はそこに転がり落ちるしかないのかも知れない。
そう、昼の次にやって来るのが夜でしかないように、人間が不眠不休で起き続けられないように、
人が空を飛べないように、1+1が2であるように、少女が女へと成長するように、
……至極当たり前のように。
正気と狂気の狭間を超えた時、あなたが目撃する結末とは……!?
―――――――――――――――――

 

《ゲームの紹介》

今回は三大電波ゲームのひとつとも言われているさよならを教えて~comment te dire adieu~」をプレイしたので、ご紹介したいと思います。

 

先に言いますが、Wikipediaを見ると、なかなかのネタバレをくらいますので、見ない方が楽しめると思います。要注意。(一応ラストのオチは書かれてないけど・・・)

 

公式サイトを覗いたりしても、かなり多くのことを伏せているので、私の記事でも内容については極力触れないようにしますが、それで上手に紹介できるのだろうか・・・。もうね、そうするとね、言える情報が「電波と狂気」くらしかないんですよ(白目)

 

本作の開発には驚きのエピソードがひとつありまして、当時、同じビジュアルアーツの別ブランドから発売されたKanon』が大ヒットしていたため、『Kanon』のようなゲームを作るよう命じられて作られたそうです。どうしてこうなった。

 

 

 

 

《キャラクター紹介》

人見 広介(ひとみ ひろすけ)

本作の主人公。社会科の教員資格が取りやすいという考えから教育実習に参加しているものの、内気な性格故に教育実習そのもに強いストレスを感じている。

校内保険医の大森となえに奇妙な夢の内容を相談する。

 

 

©CRAFTWORK
巣鴨 睦月(すがも むつき)
教室に佇む儚げな少女。主人公を引き付ける清純さと、彼を恐れさせる現実離れした聖性を併せ持つ。彼女の容姿は、主人公の見た夢の中の天使と酷似している。

 

©CRAFTWORK
高田 望美(たかだ のぞみ)
屋上から下界を眺める少女。快活で人懐っこい印象。煙草を吸いに屋上へと出た際、主人公は彼女と出会った。

 

©CRAFTWORK
田町 まひる(たまち まひる
校庭に現れる少女。主人公の幼馴染で、彼を「おにーちゃん」と呼び慕う。外見も性格も子供っぽい。感情の起伏が激しく、無邪気で気紛れ。

 

©CRAFTWORK
目黒 御幸(めぐろ みゆき)
図書室で司書係を務める少女。人と接するのが苦手で、図書室で本を読み耽っている。物事を斜めに見る傾向がある。眼鏡をかけている。兄がいる。

 

©CRAFTWORK
上野 こより(うえの こより)
弓道場に現れる少女。小柄だが巨乳。常にぼんやりしていて、少々抜けた性格。しかし、大変な毒舌家で、その言動は主人公の心を深く傷付ける。

 

©CRAFTWORK
大森 となえ(おおもり となえ)
校内保健医。喫煙者。常に気だるい雰囲気を漂わせている。生徒からの人気は高く、主人公の相談相手にもなる。

 

©CRAFTWORK
高島 瀬美奈(たかしま せみな)
主人公の教育実習を担当する教師。スポーツで引き締まった肉体を持つ美人。冷酷な印象を持つ、毅然とした女性。

 

《製作スタッフ》

クリエイターの情報

原画 長岡建蔵(美駒)
シナリオ 石埜三千穂 , 長岡建蔵(美駒)(サブ)
音楽 さっぽろももこ(RIKA) , I've(主題歌)
声優 田中美智(多田美智)(上野 こより) , 佐々木あかり(巣鴨 睦月) , あさり☆(田町 まひる) , 紬叶慧(目黒 御幸) , 天天(高田 望美)
涼森ちさと(大森 となえ) , 佐伯ゆりこ(高島 瀬美奈)
歌手 MELL(主題歌 「さよならを教えて」)
その他

長岡建蔵(美駒)(企画・原作、構成、監修、CG、デザイン、音声収録、演出) , 石埜三千穂(構成) , 荻原純(CG) , FlyingShine(有限会社フライングシャイン)(CG) , 田所広成(レレレレコード、南波九)(協力) , 上野公園にいたおじさん(協力) , Navi(協力) , VISUAL ARTS(VisualArt's、株式会社ビジュアルアーツ)(協力) , 氏賀Y太(協力) , 小林英茂(協力) , あやせまい(水海月ぱや、piyomi、ぴよ、ぴよみ、ぴの人)(協力) , 玉手峰人(協力) , 津田くみえ(協力) , まなべあや(協力) , 小川健一(協力) , 山口則章(協力) , 長縄(組立、CG、背景) , 小原彰夫(背景)

 

※ErogameScape-批評空間-様より抜粋

 

 

 

《評価と点数》

評価項目について

・シナリオ・・・話の構成、文章の読みやすさ・わかりやすさ、語句の使い方など。文章全般の品質と物語としての面白さにおける評価。

・作画全般・・・キャラクターや背景、イベントCGなど、全般的な絵の評価

・ボーカル曲・・・OP曲、ED曲、挿入歌など、作中で使われた歌が入っている曲の評価

・BGM・・・作中で使われたBGMの評価

・システム・・・UI関係全般と演出、効果音などの評価

 

 

★☆★一言メモ★☆★

・狂気の中で展開される整合性があった。

・全般的にずっと暗い。だがそれがいい

・演出は良いが、古い作品のためUIは平凡。しかたないね。

 

《総評》

三大電波ゲームの一つということ、パッケージ版がプレミア価格になっていること、その他本作に漂う噂の数々・・・

色んな期待と不安が混じりながらプレイした結果・・・

 

そこまででもなかったよ・・・?

というのが、正直な感想です。

 

もしかしたら私がバグっているor作品を理解できていないだけという可能性もありますが、プレイしたら精神に異常をきたすのではないか?くらい身構えることはなかったな、と。

たしかに狂ってますよ、これ。いい感じに狂ってます。

でも、支離滅裂だとか意味不明、理解不能とか。そういうことではなかったな、と。

 

ずーっと橙色の絵と薄暗い雰囲気のBGM。効果音や演出もいい味が出てました。

そこに上記のような狂った要素が追加されていくわけです。

ネタバレを踏んでなければ、ん?なんだこれ?とか。

これってもしかして・・・とか。

そういう風に思考を張り巡らせながら、この世界を堪能するわけです。

 

どう捉えるかはユーザーによって差異があるかと思いますが、なんとなくこういうことかな?とか想像しながらプレイできる部分は多いです。何もかもわけわからん、とはならないかと。

 

「気付きの話」という風に例えた方がいましたが、まさしくその通りかと思いますね。気付くことの積み重ねを楽しむゲームになるかと思います。

 

あくまで私個人の感想ですが、本作にメッセージ性はなかったかな、と。

この作品を通じて何か訴えようとしているとか、こういう風にユーザーに受け取ってほしいとか、そういう類の作品とは思わなかったです。

 

単純に、こういうお話でした。おわり。みたいな。

 

え?何が言いたかったの?とか。だから何なの?とか。

そう考えちゃう方は向いてないかもしれません。

 

いいんですよ。そんなもんは。

作品に触れて、自分がどう感じたか、何を思ったのか、そういう方向に考えられる人はやってみて損はないかと。

理屈っぽく考えてもいいし、単純に、理由はわからないけど○○と感じた、とか。

クリア後はそういう風になる作品かと思います。

 

パッケージ版はプレミアがついていて、入手困難ですが、プレイするだけならDLsiteで2,750円で購入できます。Windows10にも公式対応です。(2022.10月現在)

プレイ時間も6時間くらいで終わると思うので、気になってる方はやってみましょう。大丈夫、怖くないよ。ふふふ。

 

追伸:略称の「さよ教」ってどう読むのかしら。さよきょう?さよおし?私は後者で読んでるけどあってるのかな・・・

「キラ☆キラ」のレビュー

高鳴るリズム響けばキラキラ光る

あらすじ
―――――――――――――――――
前島鹿之助はミッション系の学校『欧美学園』に通う学生だ。

部活にも顔を出さず、受験勉強にも身を入れずにアルバイトに
ばかり精を出すちょっとダメな毎日を送っている。

そんな彼が、バイト先でかなり変った女の子『椎野きらり』と
出会い思いがけずパンクバンドを結成してしまうところから、
鹿之助の物語が始まるのであった。

バンドのメンバーは、鹿之助、きらり、幼馴染の『石動千絵』、
それから病弱な資産家令嬢の『樫原紗理奈』。

バンド名は第二文芸部
昨日楽器を始めましたファッキン!

彼らは、存在感のほとんどない、もう廃部も決定してしまった
『第二文芸部』の部員たちである。最後の晴れ舞台、文化祭で
目立つために立ち上がったのだ。

無謀かと思えた挑戦だが、エキセントリックな特訓を繰り返し、
平和だった欧美学園にロックの騒乱を引き起こしつつも
文化祭ライブを成功させてしまう。

これでもう満足。バンドは解散。
普通の学園生活に戻るはず…だった。

今って時間は取り戻せない。だから僕等は旅に出るんだ

だけれども、最後にライブハウスで行った演奏の模様が
インターネットで配信されると、彼らの元に地方の
ライブハウスから出演の依頼が舞い込んでしまう。

どうしよう? もう受験だよ? 家族も反対してるよ?

知ったことか!

そして四人は今にも壊れそうなオンボロワゴンに
楽器と夢とそれぞれの期待を積み込んで
学園生活最後の冒険として長い旅に出発してしまうのであった。

「まずは名古屋だ!」
――――――――――――――――

《ゲーム紹介》

今回は惜しくも解散してしまったブランド、OVERDRIVEが誇る名作、「キラ☆キラ」をご紹介します!

 

まず、なんといっても本作の特徴は「バンド」ということでしょう!

公式でも「青春恋愛ロックンロールノベル」という風に銘を打っています。

 

基本的なストーリー展開は、突き抜ける青空の様な青春物語です。

 

また、本作はADV形式ではなく、ノベル形式です。

画面全体に文章が表示されるパターンのやつです。

文字がたくさん並ぶタイプは苦手なんだよね。という方もいると思いますので、注意してください。(実は私はノベル形式苦手です。でもこれは出来た。ひぐらしは無理だったけど

 

 

 

 

《キャラクター紹介》

©OVERDRIVE
主人公「前島 鹿之助」 担当:ベース

基本は冷静なんだけど、なんだかんだで熱いハートを持っている青年。居酒屋でアルバイトをしながら学園生活を送っている。そんな日々の最中に所属していたテニス部を退部し、幼馴染である石動千絵の誘いで第二文芸部へと入部。

 

 

©OVERDRIVE
ヒロイン「椎野 きらり」 担当:ボーカル

鹿之助がアルバイトをしている居酒屋に新人アルバイトとして入ってくることで知り合う。実家が貧乏なため、アルバイトにも全力で取り組む、いわゆる勤労学生。そんな苦労を感じさせないほど天真爛漫な女の子。

 

 

©OVERDRIVE
ヒロイン「樫原 紗理奈」 担当:ギター

身体が病弱なため、学校を休みがちな女の子。そのためか、学校での友人は少なく、親しい友人はきらりだけである。家は超がつくほどの大金持ち。

 

 

©OVERDRIVE
ヒロイン「石動 千絵」 担当:ドラム

鹿之助の幼馴染で、第二文芸部の部長。本来は鹿之助よりひとつ年上なのだが、家庭の事情により、やむを得ず留年してしまったため、同学年となってしまった。

 

 

《制作スタッフ》

クリエイターの情報

原画 片倉真二 , 藤丸(F.blue)(SD原画)
シナリオ 瀬戸口廉也(唐辺葉介)
音楽 ms-jacky , 一番星☆光 , QUALITY
歌手 第二文芸部(OP曲「キラ☆キラ」、きらりED曲2「lead to your dream」、紗理奈ED曲「t r a v e l e r s」、千絵ED曲「go on a trip」、挿入歌「Let’s Jump!」「君の元へ」「Like a life,Like a Live!」「O.H.B.I」) , HAPPY CYCLE MANIA(きらりED曲1「a song for」) , STAR GENERATION(挿入歌「Too Fast To Live Too Young To Die」)
その他 楢崎陽(ディレクター、美術設定) , 竹内"bamboo"博(bamboo)(企画/プロデュース、制作総指揮・Rock'n'Roller、サウンドディレクター、サウンドプロデューサー) , 飯島和樹(アシスタントディレクター、スクリプト) , 瀬戸口廉也(唐辺葉介)(スクリプト) , Iris motion graphics(tsukune.)(映像)

※ErogameScape-批評空間-様より抜粋

 

 

《評価と点数》

評価項目について

・シナリオ・・・話の構成、文章の読みやすさ・わかりやすさ、語句の使い方など。文章全般の品質と物語としての面白さにおける評価。

・作画全般・・・キャラクターや背景、イベントCGなど、全般的な絵の評価

・ボーカル曲・・・OP曲、ED曲、挿入歌など、作中で使われた歌が入っている曲の評価

・BGM・・・作中で使われたBGMの評価

・システム・・・UI関係全般と演出、効果音などの評価

 

 

★☆★一言メモ★☆★

・圧倒的文章力で展開されるストーリー

・秀逸なボーカル曲たち

・きらりかわいいよ、きらり

 

《総評》

バンドをテーマに描かれた少年少女の青春物語としては、屈指の出来。

プレイ前までは、バンドで青春ってなにかなー?バンドの練習とかを通じて、和気あいあいと仲良くなるのかなー?みたいな程度にしか考えてませんでした。

いざ、蓋を開けてみると、そんなちんまいスケールじゃなくてびっくり。

しかも、バンド活動というものを現実と創作物の丁度いいバランスを取って描いているので、そんなこのあり得るか!と言う気分になることなく、ユーザーに夢が広がっていくワクワク感を与えてくれます。

 

また、開始5分でわかる文章力の高さには脱帽の一言しかないです。

上手いというか、もう、抜群に上手い。

これがかの有名な瀬戸口廉也かと、数分ほど無意味に天井を見上げてました(ガチ)

氏の書いた作品をプレイするのは初めてだったので、もっと早くやっておけばと後悔の念が立つほどです。すごいなぁ、この人、ほんとに。

 

引き込まれるストーリーと、物語を彩る楽曲たち。

それに関しては、何も文句の付け所がありませんでした。

 

あえて難癖をつけるならば、ひとつだけ。

氏の知識がありすぎるのか、様々な描写を読み手にわかるように丁寧に書いてくれるのですが、それが裏目に出て、物語のテンポを阻害しているようなところが多少あったかな、と。

話の寄り道とでも言うんですかね、それが気持ち多めな気がしました。

まあ、気にならない人は気ならないと思うので、危惧するほどではありません。

文章力が素晴らしすぎて悔しいので、いちゃもん付けたいだけです、ごめんなさい。

 

©OVERDRIVE

 

で、青春は青春なんですけど、それだけだと、「あー面白かった。」で、終わっちゃうんですよね。

点数つけるなら良くて80点そこそこなんですよ。

つまり、本作は、ただの青春ではない側面もあるんですよね。

 

あえて挑戦的に言いますが、近年で名作と謳われる美少女ゲームでは、物足りなさを感じていました。

尖った部分がある作品というのは、やはり、ふるいにかけられます。

万人に受けさせようとすると、尖らせず、丸くするしかない。それはわかる。しかたない。

愛してやまないキャラクターにショッキングなことなんてしたら、ユーザーから反感買うかもしれないもんね。わかる、わかるよ。

 

でもね、その禁忌を破った先に、衝撃はあるんですよね。

 

こんなもんは良し悪しではなく、好き嫌いの範囲なので、議論するようなことではないんですが、私は好きなんです、その衝撃が。

 

ああ、そうだ、俺が好きなエロゲってこういうやつだ。

そういう気持ちを本作は思い出させてくれました!

 

まだ未プレイだよ!という方は、ぜひ手に取ってください。

 

エロゲ初心者から玄人まで、全てのユーザーに、衝撃と納得を与えてくれること間違いなしです!!

 

まだ衝撃慣れしてない頃にやってたら、もっと点数高かったかもしれないなぁ・・・

 

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「素晴らしき日々~不連続存在~」のレビュー

「”言葉と旋律”の物語」

ストーリー
―――――――――――――――――

それぞれの物語は旋律。
それらの旋律はさらに大きな物語と共鳴してゆく……。

「空と世界」「終わりと始まり」「文学と化学」「救世主と英雄」「兄と妹」「向日葵と坂道」

言葉は旋律となる。
素晴らしき日々』とはそういった物語。

“Down the Rabbit-Hole” ――「空と世界」の物語
夜空に現れる夏の大三角、そこは“世界の少女”と“空の少女”が出会う場所であるという伝承がある。
この伝承の下に集まった四人の少女達は、その空を探す冒険を始める。

“It’s my own Invention” ――「終わりと始まり」の物語
とある事件をきっかけに世界と自己との認識がズレ始める。
認識のズレの先、彼は世界の限界の場所に救いを見いだす。

“Looking-glass Insects” ――「文学少女と化学少女」の物語
二人の少女の戦いの話。彼女達は文学と化学をつかい、現実と戦う。
文学は強き意志、化学は物理世界に対する力。この二つだけが現実に対する彼女達の武器となる。

“Jabberwocky” ――「救世主と英雄」の物語
破壊者である事を運命づけられた少年の話。彼は、調和する世界のために創造者を破壊しなければならない。

“Which Dreamed It” ――「兄と妹」の物語
兄を慕う少女。彼女はずっと兄との約束を信じて、向日葵の坂道の下で待っている。

“JabberwockyⅡ” ――「向日葵と坂道」の物語
遠い世界の話。向日葵の坂道と、その先にある風景が語られる。

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今回は名作と名高い素晴らしき日々~不連続存在~」(HDフルボイス版)をプレイしたので、そのレビューをしていきたいと思います。

 

www.youtube.com

 

《ゲームの概要》

本作は2010年にケロQから発売され、その後、2018年にフルボイスHD版が発売されました。

また、同年の萌えゲーアワード大賞銅賞、シナリオ賞部門金賞受賞作品となっています。

このことからもクオリティの高さは折り紙付きと言えます。

 

特にシナリオにおいては、下記のような大きな反響がありました(wikipediaより一部抜粋)

 

本作は萌えゲーアワード2010において、大賞部門の銅賞、およびシナリオ賞部門の金賞を受賞した。その選評において『BugBug』編集長・大澤忠基は、シナリオの出来が評価されたことが銅賞受賞に繋がったと説明した。シナリオ賞へのノミネートは審査員推薦によるものであったが「簡潔で力強いテーマをもとに生み出されている多層的なシナリオ」「尻上がりにユーザーの心を惹きつけていくストーリーとシナリオ」(パソコンパラダイス編集長・西平和則)などと高く評価され、審査員の全員一致で金賞を受賞した。選考結果を報じた『PC Angel neo』2011年2月号において、ミスターXは、本作は好き嫌いがはっきりするタイトルであり、シナリオ賞受賞には異論もあるだろうとしつつ、「単に心地良い会話が延々と続くだけ学園モノや、起承転結を忘れた萌え要素の羅列AVGなどが裸足で逃げ出すとっつきにくさと重厚感」「ルート分岐すると他キャラとの絡みが無くなる多ライター分担シナリオに慣れているユーザーにとっては衝撃の重層的な展開と構成の巧みさ」と高く評価し、シナリオ賞受賞の妥当性を解説している

 

個人的に言うなれば「好き嫌いはあれども、シナリオの品質が高いことについては異論がなかった」ということでいいのかな、と。

また、本作は哲学書の引用や神話などの要素を取り入れてた部分もあり、そういったところはおそらく初見で理解できた人はいないと思います。

しかし、そういった部分が理解できなくても楽しめる作りになっているので、食わず嫌いで本作を避けているのであれば、気軽に触れてみてもいいかも・・・?

ただし、狂気・電波・グロ・犯罪・ホラー、といった要素も十分にありますので、ほんわかふわふわして、キャッキャッウフフを楽しむタイプのゲームではないことを忘れてはいけません。

 

 

 

 

《製作スタッフ》

クリエイターの情報

原画 基4(基4%) ,  , 籠目 , karory(乙夜かろり) , SCA-自(すかぢ、横浜元町)(サブ)
シナリオ SCA-自(すかぢ、横浜元町) , 文音(彩音)(シナリオ)(サブ) , 藤倉絢一(サブ) , 千歳(サブ)
音楽 ryo , 松本文紀(szak) , H.B STUDIO
声優 北都南(橘 希実香) , かわしまりの(水上 由岐) , 如月葵(若槻 司) , 小倉結衣(若槻 鏡) , 藤神司朗(佐山森)(間宮 卓司) , 西田こむぎ(間宮 羽咲) , 成瀬未亜(平山紗弥、笠原晴香、加賀美琴音、井上ねねこ、日比谷小桃、佐倉千枝理、酉井凛々子、松永亜夜)(音無 彩名) , 涼屋スイ(高島 ざくろ)
歌手 はな(主題歌「空気力学少女と少年の詩」、3章正史ED曲「終末の微笑」、終ノ空ⅡED曲「呪われた生 / 福された生」) , monet(序章ED曲 「神と旋律」、1章ED曲 「鏡の世界には私しかいない」、2・3章HappyED曲 「ナグルファルの船上にて」、向日葵の坂道ED曲 「登れない坂道」)
その他 SCA-自(すかぢ、横浜元町)(プロデュース、企画、塗装、背景、演出素材) , duet(3章正史ED素材) , 癸乙夜(OPムービー) , H.B STUDIO(キャスティング&収録スタジオ) , みつき(スクリプト) , コムラ(スクリプト、EDムービー) , 遊鳥(スクリプト、広報) , 松本文紀(szak)(デバッグ) , 藤倉絢一(デバッグ) , Darios Sawm(プログラム) , 深草翔(塗装) , NAKAM(塗装) , 基4(基4%)(塗装) , 籠目(塗装) , karory(乙夜かろり)(塗装) , (塗装) , ナナカ(塗装、スクリプト) , 新川尚士(塗装、背景) , 柚子璃刃(演出、スクリプト、EDムービー) , ことるり。(画面素材、デザイン) , 吉田誠治(棚葉)(背景) , 赤坂アカ(背景)

※ErogameScape-批評空間-様より抜粋

 

 

《評価と点数》

※評価項目について※

シナリオ・・・話の構成、文章の読みやすさ、語句の使い方など。文章全般の品質と物語としての面白さにおける評価。

作画全般・・・キャラクターや背景、イベントCGなど、全般的な絵の評価

ボーカル曲・・・OP曲、ED曲、挿入歌など、作中で使われた歌が入っている曲の評価

BGM・・・作中で使われたBGMの評価

システム・・・UI関係全般と演出、効果音などの評価

 

★☆★一言メモ★☆★

・ストーリー展開は見事と言わざるを得ない

・ゲームならではの演出も◎

・主題歌、BGMに良曲多し

 

 

《総評》

あまりやったことのないジャンルだったので、かなり驚かされました。特に、電波や狂気の部分ですね。

普通のシナリオゲーばっかりやってきたので、耐性がなかったです。

プレイ中に「ひえっ」とリアルに口に出たのはこれが初めてでした。

怖いところはほんと怖かった・・・

たまーにエロゲってシナリオ重視なんだから、小説でも成り立つよね。と思うこともあるんですが、本作はゲームという媒体じゃないとその良さを活かしきれないと感じました。

話を展開していく手段として、やっぱり文章以外の手段を用いることって重要なんだなと学ばせてくれましたね。

 

章を追うごとに抱いていた疑問が解決されていく様は圧巻。

2章、3章あたりがテーマも重く、いろんな疑問がまだ解決されないところなので、ギブアップする方がいるとしたらここかな?というのはわかりました。

個人的には3章がきつかった・・・あれは、うん、きつい。

3章に来るころには、キャラクターに愛情とか親近感とか、そういうものを抱いてますから。それが故のつらさですね、はい。

ほんと上手い構成だこと・・・

 

4章以降は物語の解決に向けて急速に展開されていきます。

実際に章ごとのプレイ時間を計測していたのですが、1~3が長めで、4~は短めでした。

ラストスパートだ!ってなってから長すぎると、ユーザー側がダレる可能性もあるのでわざと短めなのかもしれませんが、そのおかげでちゃんと疾走感を失わずエンディングまでたどり着きます。

 

よく言われる本作の哲学要素ですが、クリアしてもよくわかりませんでした!(爆)

おそらく初見で理解できる人いないんじゃないかな?ってレベルです。

これはもう理解されなくてもいい前提で作られている気もしますので、「いやぁそういう小難しい話ってわからないから・・・」という理由で本作を避けているのであれば、気にせずプレイしましょう。

わからないままでも本作の凄さは伝わります。2010年萌えゲーアワードシナリオ賞金賞たる所以はそこにあるでしょう。

未だにすば日々が何を伝えたかったのかはわかりませんし、ひょっとしたら何か伝えようとしていると捉えることすらズレてるのかも?ってくらい理解してません。

でも、それでも大丈夫。すば日々はいいぞ。

 

 

本作は決してシナリオ一点突破型のゲームではなく、作画、音楽、演出、どの面をとっても非常に高いクオリティでした。

音楽面でいえば主題歌もさることながら、BGMの「夜の向日葵」スタンディングオベーションの出来栄えです。

無限に聞いてられるレベルのBGMに出会ったのは何年ぶりだろうか、というくらいの曲です。

 

人を選ぶことは間違いないのですが、肌に合わなさそうだからやらないというにはもったいない作品です。

完全に拒絶反応が出るほど無理というわけでもなく、ちょっと苦手そうな分野だというくらいなら、あえて手を伸ばしましょう。

 

「苦手なもの=悪いもの」と認識してしまうのは、もったいなさすぎます。

 

ああ、この作品は素晴らしいな、それは間違いない。でも、僕には合わないから好きではない。

 

もしも苦手だとしても、

そう思えるほどの力が、素晴らしき日々~不連続存在~」にはありますよ。