「ぼくの一人戦争」のレビュー
—―泣くまで戦え。
《ゲーム紹介》
本作は、2015年に「あかべぇそふとつぅ」から発売されました。
同ブランドの看板である、るーすぼーい氏(シナリオ)と有葉(原画)氏がタッグを組んだ作品であり、過去には「車輪の国、向日葵の少女」「G戦上の魔王」などもこのタッグによる作品となっています。
残念ながら本作はリメイク等は行われておらず、ファンディスクもありません。
作中の戦いを模したミニゲーム?のようなもので、「ぼくの一人戦争+」というのがあるようですが、本記事では紹介しません。
また、公式サイトでも言ってある通り、攻略可能ヒロインは1人です。
一本道のシナリオで、なんなら選択肢が存在しません。(好き嫌い分かれるポイントかも)
夏を舞台としていますが、季節感が強いゲームかというと、そこまででもないので、その点は気にしなくて良いと思います。
ちなみに、序盤のみ縦書きで文章が表示されます。
クリア後から振り返ってみても、なぜ序盤だけ縦書き表示にしたのかの理由はイマイチ分からず、それでいて背景と文字が被って読みにくいときがありますが、1時間くらいなので我慢しましょう!
《製作スタッフ》
クリエイターの情報
原画 | 有葉 |
---|---|
シナリオ | るーすぼーい |
音楽 | 西坂恭平 |
声優 | 三代眞子(犬塚 るみ) 佐藤健(二宮 徹) , 紫華すみれ(前脇 しのぶ) , 沢澤砂羽(岡部 沙代) , 真中海(工藤 命) , 犬神帝(里見 蓮司) , 斉藤愛子(錦戸 結花) , 柴田秀勝(長門 大地) |
歌手 | 櫻川めぐ(桜川めぐ)(OP曲 「sacrifice Love」) , しほり(瀬名、She-holly)(挿入歌 「ふたりの果て」、ED曲 「静かに流れる日々の中で」) |
その他 | γ(眼間成珠)(ディレクター) , 三舛啓(プロデューサー) , るーすぼーい(企画) , おかな(彩色チーフ) , 雪乃(DTP) , tiko-μ(SE) , ネミ(WEB/システム/ロゴデザイン) , shimio(スクリプト、デバッグ) , RASU(スクリプト、デバッグ) , SUGAR(スクリプト、デバッグ) , 杏里(スクリプト、デバッグ) , 道乳々(デバッグ) , ざっきー(デバッグ) , フラ(デバッグ) , 後藤聡一朗(HD後藤)(パブリック) , フォントワークス株式会社(フォント) , SIN?(プログラム) , KIZAWA studio(株式会社KIZAWA studio)(ムービー制作) , 星クズの夜(彩色) , 湯浅眞(彩色) , ikki(彩色) , 桃飴こもも(彩色) , 櫻(彩色) , カヤ(彩色) , もみじ(彩色) , 狛(彩色) , maimi(彩色) , YOU(グラフィッカー)(彩色) , 千年(彩色) , 有限会社アフェス「無月庭」(彩色) , 鏑木かんら(彩色) , pass(彩色) , 砂丘太(彩色) , ロギ(背景) , Mijyowaki(背景) , BraveHearts(株式会社ブレイブハーツ)(音声制作) |
※ErogameScape-批評空間-様より抜粋
《評価と点数》
※評価項目について※
シナリオ・・・話の構成、文章の読みやすさ、語句の使い方など。文章全般の品質と物語としての面白さにおける評価。
作画全般・・・キャラクターや背景、イベントCGなど、全般的な絵の評価
ボーカル曲・・・OP曲、ED曲、挿入歌など、作中で使われた歌が入っている曲の評価
BGM・・・作中で使われたBGMの評価
システム・・・UI関係全般と演出、効果音などの評価
★☆★一言メモ★☆★
・選択肢無し攻略ヒロイン一人の一本道で約12時間
・車輪とG線という高すぎる壁
《総評》
物語全般を通して、その必要あったかな?とか、この設定いるのか?とか、思うことはあります。
とはいえ、そういう野暮なことを考えなければ、いかにもるーすぼーいのシナリオだなという雰囲気はありました。
何点か涙を流した場面もありましたし、そんな低評価をくらう作品でもないよね。というのが率直な感想です。
有葉氏が描くキャラのかわいさはかなり評価できますが、その他はこれといって強く刺さる要素がなかったのが残念です。まあ、悪いところも特になかったので、マイナスではないんですけどね。
ただ、若干のとっつきにくさはあります。
やはり、選択肢なしの一本道は、読まされてる感が強くて疲れました。
最近気づいたのですが、どうやら私は、選択肢があることによって、自分の意志で物語を進めている=主人公に感情を移入できる。という人間のようです。
他にも物語の設定に関して首をかしげたくなる部分や、悪役キャラの根拠が弱いとかどうしても悪目立ちする部分があることはあります。
が、しかし。
それでも、やっぱりるーすぼーいなんですよ。
巨悪に立ち向かう主人公の姿やヒロインの姿。
これは心を打たれるものがあります。
なので、氏が描いた他の作品に対し、どの部分を評価していたかによって本作の見え方が変わります。
単に『伏線回収の人』として氏を捉えた場合は、本作は粗が目立ち、厳しい評価になるでしょう。
しかし、『悪に負けない姿勢』に心を打たれていた方は、本作の良い部分もしっかりと受け入れられるのではないか、と予測します。
プレイ時間も短めの作品なので、腰を据えてコレをやるぞぉ!という気概ではなく、何かの合間にコレやっとこうかな?一応るーすぼーいでしょ?くらいでやると、十分楽しめると思います。
最後に強く言っておきます。
車輪とG戦、これと比較したらダメ、絶対。